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  • 執筆者の写真高森明勅

昭和天皇記念館

更新日:2020年12月25日


昭和天皇記念館

4月21日、小学校の先生方と立川市の国営昭和記念公園内の昭和天皇記念館へ。

花みどり文化センターの一角のこじんまりとしたスペース。 しかし、貴重な展示物の数々。

昭和天皇が実際に、宮殿でのご執務に使っておられた机と椅子の実物が展示されていて、その意外な質素さに、驚く人もいた。 ご訪米の時にプレゼントされ、愛用されていたディズニーの腕時計も珍しいご遺品だ。 昭和天皇の87年のご生涯を短くまとめた映像は、涙を浮かべながら拝見していた昭和生まれの先生方がいた。 若い先生方からは

「動いておられる昭和天皇を初めて拝見しました」 「昭和天皇が喋っておられるお声を初めて聴きました」

などとの感想も。


些かビックリ。


2時間ほど掛けて、私が説明しながら館内を回った。

占領下に昭和天皇は、敗戦後の打ち拉(ひし)がれた日本各地の国民を慰め、励ます為に、全国巡幸をなさった(昭和21年から29年まで、総行程33,000キロメートル)。

それを早急に準備するよう、当時の宮内府の次長だった加藤進氏に指示された時のお言葉も、皆さんに紹介した。


「この戦争によって祖先からの領土を失い、国民の多くの生命を失い、たいへん災厄を受けた。この際、わたくしとしては、どうすればいいのかと考え、また退位も考えた。

しかし、よくよく考えた末、この際は、全国を隈なく歩いて、国民を慰め、励まし、また復興のために立ち上がらせる為の勇気を与えることが自分の責任と思う。このことをなるべく早い時期に行いたいと思う。 ついては宮内官たちはわたくしの健康を心配するだろうが、自分はどんなになってもやりぬくつもりであるから、健康とか何とかはまったく考えることなくやってほしい。 宮内官はその志を達するよう全力を挙げて計画し実行してほしい」と。


私はこれまで、昭和天皇の巡幸を地元で迎えた何人かの人たちに、その時の感想を聴いている。


それぞれ異口同音に、

「陛下のお姿を拝し、日本は大丈夫だという安心感が生まれた。希望が湧いた」という趣旨の感想を述べて下さった。 昭和天皇はまさに戦後復興の最先頭に立たれたのだ。

拝観を終わると同じセンター内の喫茶コーナーに移動。 参加者が感想を述べ合った。 18歳の若者も母親と一緒に参加していた。 彼の飛び抜けて熱心な態度に感心した。 私からは小林よしのり氏の『昭和天皇論』ほか何冊かの参考図書を紹介し、回覧して貰った。

その後、立川駅近くの居酒屋で懇談。 若くて綺麗な女性の先生方に囲まれ、セクハラ発言をしないよう、懸命に自制していた。

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