終戦後、昭和天皇はご自身を厳しく責めておられた。その一端は、例えば先頃のNHKスペシャル「昭和天皇は何を語ったか」(8月17日放送)にも描かれたし、恐らくその企画の発端になったであろう、加藤恭子氏の『昭和天皇「謝罪詔勅草案」の発見』『昭和天皇と田島道治と吉田茂』などにも明らかだ。
しかし、ここでは一つの事実だけを紹介しよう。
上皇陛下(当時は皇太子)の家庭教師を務めたバイニング夫人に対して、昭和天皇が次のように語られたという事実だ。
「自分は戦争を阻止できなかったから、自分の後継ぎを育てる資格はありません」と(バイニング夫人本人への高橋紘氏のインタビューによる)。
余りにも峻厳な自己批判ではあるまいか。