新年祝賀の儀
1月1日、宮中(皇居・宮殿)で「新年祝賀の儀」が行われた。この儀式によって、天皇陛下が「日本国の象徴」であられるべき規範を毎年、年の初めに確認している。その主な中身は以下の通り。
①首相をはじめ三権の長とその関係者から順次、祝賀をお受けになる。
②各国の駐日大使夫妻から順次、祝賀をお受けになる。
①によって、「天皇」という地位が三権の長より“上位”(つまり国家秩序の頂点)にある事が、可視的に確認できる。次に②は、対外的に我が国を“代表”するのが(首相やその他の者ではなく)「天皇」である事を示す。この両者を兼ね備えるのは、まさに「日本国の象徴」以外の何者でもない。
憲法7条に国事行為を列挙している。その中に「儀式を行ふこと」(10号)という項目がある。だが、毎年行われる恒例の単独行事としての「儀式」は、実はこの新年祝賀の儀だけだ。それだけ重要な行事なのに、その意味がよく理解されていないのではあるまいか。
ちなみに1月2日の「新年一般参賀」は、「国民統合の象徴」としての行事だろう(天皇誕生日の一般参賀も同じく)。