「女性天皇」「女系天皇」については、「男性天皇」「男系天皇」とセットで整理すると、理解しやすいだろう。「女性天皇」「男性天皇」は、それぞれ女性と男性の天皇。言う迄もない。
「女系天皇」「男系天皇」は、どちらも天皇(又は皇族)のお子様で即位された方。ただ、“天皇(又は宮家の当主)たる親”が女性か男性かの違い。一般的な定義としては、“天皇(又は宮家の当主)たる親”が女性なら女系天皇、男性なら男系天皇だ。
至ってシンプル(但し歴史上は、父親の天皇が遠い傍系だったのに対し、母親が直系の権威を担っておられる場合、同時代にはむしろ母親の血筋=女系と受け取られていたと思われるケースも、例外的に存在した)。
しかし、同じ「皇統に属する子孫」なのに、その親の性別の違い“だけ”で、即位された天皇の権威や正統性に決定的な違いが生まれる(天皇又は宮家の当主たる親が、男性なら権威も正統性もあるが、女性ならどちらも無い)と、もし考えるのであれば、現代という時代にあって、余りにも奇妙かつ不合理ではないか。
まさに「男尊女卑」の極み。と言う以前に、天皇という地位や、皇統という血筋を、男女の性別よりも、ずっと“軽んじている”ことになろう。
世論調査で圧倒的多数の人々が、男系天皇と女系天皇の概念上の区別がよく分からないまま、普通に(男系天皇と同じく)女系天皇も認めているのは、元々そのような区別に“本質的な”意味はないのだから、全く正解(本質的な区別は、皇統に属する皇族か、そうでないか)。
むしろ無自覚のうちに、早々と「シナ男系主義」の影響から脱却した、日本国民の健全さを示していると言えよう。さすが、“男尊女卑”のシナとは違い、「女性」神(天照大神)を皇室の根元的な祖先(皇祖)と仰ぐ国柄。