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執筆者の写真高森明勅

皇居勤労奉仕、見送り

更新日:2021年1月20日

皇居勤労奉仕、見送り

9月15~18日にかけて、今年の皇居勤労奉仕を予定していた。奉仕団のメンバーは、高森稽古照今塾の受講者を中心に、20代・30代の若い社会人達(よく4日間も休みを取れたものだ)。私1人だけが年寄りだ。


ところが8月6日に、若くて可愛らしい女性団長から連絡があった。宮内庁から、新型コロナウイルスの感染状況と厳しい暑さによる熱中症の恐れから、9月の勤労奉仕は「見送り」と決まった、との連絡が入ったそうだ。私が講師を務める事前勉強会の日程も既に決まっていた。残念だ。


しかし、やむを得ない。

平成30年・令和元年と続けて来た勤労奉仕も、今年は中断を受け入れるしかない。どうやら弱毒性らしいとは言え、万が一にも天皇陛下のお側近くに、今も未知の要素が強い感染症が及ぶのは、断じて避けねばならない。ましてや、国民の側からお願いをして、特に許して戴いている勤労奉仕が、その原因になるようでは余りにも申し訳ない。


この勤労奉仕は、敗戦直後の昭和20年12月、宮城県栗原郡(現在は栗原市)の若者達(みくに奉仕団63名、但し内1名は記録係として木村毅早稲田大学教授がオブザーバー参加)の強い熱意から始まった。


それ以来、令和の今まで途絶えることなく、全国各地の幅広い国民が、全くの手銭(てせん)手弁当でご奉仕を続けて来ている(私自身は、これまでに僅かながら6回だけ参加させて戴くと共に、東京・大阪・奈良・岡山・広島などの奉仕団の事前勉強会でお話をして来た)。その尊い歴史に傷を付けるようなことがあってはならない。


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