河野太郎・防衛大臣。 前に、拡大版ゴー宣道場にゲストとして参加して戴いた。外務大臣・防衛大臣を歴任され、政治家として一層、輝きを増しておられる。将来の有力な首相候補のお1人だろう。
その河野氏が、側室の不在を理由に、男系維持の困難さを指摘され、「男子のお世継ぎがいなくなったときにどうするのか、考えておく必要がある」「愛子さまをはじめ内親王のお子さまを素直に次の天皇として受け入れることもあるのではないか」との考えを、率直に示された(産経新聞8月23日、23時50分配信)。
責任ある政治家として、至って真っ当な意見ではないか(「次の天皇」というのは勿論〔もちろん〕、今上陛下の“次”ではなく、女性天皇が即位された場合に、その次、という意味だろう)。
昨年11月24日のフジテレビ系の「日曜報道 THE PRIME」で、安倍首相の盟友、甘利明・自民党税調会長が「順位を付けて最終的選択肢としては女系天皇も認めるべきだ」という趣旨の発言をされている(この時は私も同番組に出演した)。
もはや“女性”天皇ではなく、(それは当然として、もう一歩踏み込んだ)“女系”天皇「容認」論が、有力政治家によって明確に語られるようになった。
これより以前、安倍首相側近の1人の萩生田光一・文科大臣は、自民党総裁特別補佐として安倍氏を支えていた当時に、「婿(むこ)をとる女性宮家はあってもいいように思います。 いまは側室を認めろといっても無理でしょうから」(『文藝春秋』平成26年6月号)と述べていた。
女性宮家を認めるのであれば、その当主でいらっしゃる「内親王のお子さまを素直に次の天皇として受け入れる」選択肢(つまり女系天皇)を制度上、可能にしておかないと、無意味だ。
女系天皇に最も抵抗を示していると見られている安倍首相の周辺も、事態の本質を理解しつつあるのではないか。「ポスト安倍」の1人として名前が挙がって来た、河野大臣の発言を歓迎する。