8月28日、安倍晋三首相が辞任を表明した。安倍政権は何を成し遂げ、何を成し遂げることが出来なかったか。何を行うべきであったのに、それをなし得なかったか。何を為すべきではなかったのに、それを行ってしまったか。それらについては、国民がそれぞれ判断すべきだろう。
私自身としては、第2次政権が発足した直後、政府の取り組みとして、ようやく本格的に進められようとしていた「女性宮家」を巡る検討を、躊躇なく「白紙に戻す」と宣言して、そのまま封印してしまった時に、「安倍政権が1日も早く退陣することを願う」と意思表示したのを思い出す。
その時、私に対して猛烈な非難が集中したものの、安倍政権では、その後、いわゆる「旧宮家」案についても、“安倍一強”と言われた権勢を誇りながら、一切、顧慮されることは無かった。
皇位の安定継承と皇室の存続という、今の日本にとって最重要なテーマについては、安倍政権は成果ゼロというよりも、むしろマイナスの役割しか果たさなかった。次の政権では、どうかこれを最優先の課題として取り組んで欲しい。
ちなみに、Yahoo!のネット世論調査では、次の首相に相応しい政治家として、先頃、「女系天皇」容認論を表明して注目を集めた河野太郎・防衛大臣の名前が、2位以下を大きく引き離して、トップに挙がっている(投票数、169203。得票数113511。得票率、67%。8月29日、14時の時点で)。