延期されていた「立皇嗣の礼」が11月8日に実施されることが決まった。なので、皇位の安定継承に向けた政府の検討も、ようやく本格化するはずだ。
何しろ、上皇陛下のご譲位を可能にした特例法の附帯決議に、同法施行(平成31年4月30日)後「速やかに」と求められていたにも拘らず、政府はいたずらに“先延ばし”を続けて来た(既に1年半近く経過した!)。
しかし、もはや言い訳は通じない。だが、改めて言う迄もなく、側室制度と非嫡出による継承を、今さら復活できない以上、皇室典範が規定する継承資格の「男系男子」限定を維持したままでは、皇位の安定継承はとても望めない。皇室それ自体の存続すら危ぶまれる。
だから、憲法に定める「象徴」天皇(1条)の「世襲」継承(2条)を維持する為には、その限定を解除する以外に手立てはない。
その意味では、(明治典範のルールを変更して)非嫡出の継承可能性を排除しながら、一方で、(明治典範のルールをそのまま踏襲して)男系男子の“縛り”を維持した、今の典範の制度の設け方は、元々、憲法の世襲制に矛盾する内容だったと言わざるを得ない。
政府・国会は憲法の要請に従って、その矛盾を速やかに解消すべきだ。それは勿論、国民多数の願いでもある。