改めて言う迄もなく、側室が不在で、非嫡出の継承可能性が無くなった以上、皇位の安定継承、皇室の存続と「聖域」性の保持を願うなら、皇位(と宮家)の継承資格を「男系男子」限定し続けることは出来ない。この点への理解は、以前に比べて格段に広がっているはずだ。
これを踏まえて、皇室典範の第1条(皇位継承の資格)を改正すれば、以下のようになる。
「皇位は、皇統に属する子孫が、これを継承する」現行の第2条(皇位継承の順序)は、特に変更する必要は無い。次のような条文だ。
「1 皇位は、左の順序により、皇族に、これを伝える。
一 皇長子
二 皇長孫
三 その他の皇長子の子孫
四 皇次子及びその子孫
五 その他の皇子孫
六 皇兄弟及びその子孫
七 皇伯叔父及びその子孫
2 前項各号の皇族がないときは、皇位は、それ以上で、最近親の系統の皇族に、これを伝える。
3 前二項の場合においては、長系を先にし、同等内では、長を先にする」
先の改正第1条と現行第2条を、現在の皇室にそのまま適用すると、どうなるか。
第一号の「皇長子」に当たるのは敬宮(としのみや、愛子内親王)殿下。しかも、敬宮殿下の場合は「皇嗣たる皇子」なので、「皇太子」と称される(第8条)。
現在、皇嗣であられる秋篠宮殿下は第六号に該当される。よって、皇位継承順位は第2位に移られる。第2位なので、当然、もはや皇嗣ではなくなられる。これは、次の天皇になられることが規範・理念上、確定している直系の皇嗣(皇太子・皇太孫)で“ない”以上、普通に起こり得ることだ(秩父宮の前例など)。
しかし、皇位の継承資格そのものを失われる訳ではないので、その点は誤解の無いように。