宮内庁の池田憲治次長は、定例の記者会見で「皇女」制度案について質問され、憮然(ぶぜん)とした表情で「宮内庁としては聞いていない」と答えたという(「週刊朝日」12月18日号掲載の友納尚子氏のレポート)。
やはり、私が推測した通り、同プランに宮内庁は全く関与していなかった。つまり、天皇・皇后両陛下のお考えを(内々にでも)伺うことなく、内閣が“勝手に”無理で非礼なゴマカシの措置を進めようとしていたのだ。何という傲慢さか。
これに対し、「女性宮家」の場合は、事情がまるで違う。宮内庁サイドから内閣に、その検討を働き掛けて来た経緯がある。そのようなことが、天皇陛下のご意向も伺わずに、長官だけの判断でできるはずがないのは、改めて言うまでもない。
現に、上皇陛下に10年以上も侍従長としてお仕えして来た渡邉允(まこと)氏が、皇室の将来への強い危機感から、女性宮家の創設を求める発言をされたこともあった。皇女プランと女性宮家の創設は、単に中身が正反対であるだけでなく、皇室のお気持ちを踏まえているか、それとも頭から無視しているかという、最も大切な1点でも決定的に異なる。