今年のゴー宣道場を振り返って目につく大きな1つは、作家・泉美木蘭氏の活躍ぶりだろう。
持ち前の正義感と、「泉美探偵事務所」との異名を取る卓越した調査能力を遺憾なく発揮され、新型コロナウイルス感染症の“実像”を浮き彫りにする、目覚ましい成果を挙げられた。
ご自身がお1人でテープ起こしから文章化まで手掛けられたという、漫画家・小林よしのり氏との対談本『新型コロナ―専門家を問い質す』(光文社)は、読み易く貴重なデータ満載の良書。泉美氏らしい丁寧な目配りを感じさせる。今や小林氏と並んで、道場の「二枚看板」の観がある。
新型コロナ恐怖症の終息がまだ見えない中、来年も“血道(ケツドー)”師範・泉美氏の更なる活躍を期待したい。それと、もう1つ欠かせないのが弁護士・倉持麟太郎氏の初めての単著『リベラルの敵はリベラルにあり』(ちくま新書)の刊行だ。あれほどフットワーク軽く、多方面に八面六臂(はちめんろっぴ)の活躍をされながら、これだけの労作を書き進めておられたとは。驚きだ。
優れた実務家が必ずしも信頼できる理論家とは限らない。むしろ、その両者を兼ねる例は稀有(けう)だろう。ところが倉持氏の場合、実務家として並々ならぬ能力を見せつける一方、実情に精通した強みをも取り込んだ(つまり単なる理論家には書けない)、緻密でスケールの大きな思想書を書き上げるという、離れ業をやってのけられた。近来の快著。各方面から高く評価されたのも当然だろう。
皇位の安定継承に向けた政府・国会の取り組みがようやく本格化する来年、氏の存在感は益々大きなものになるはずだ。高森稽古照今塾の関係では、9月に予定されていた皇居勤労奉仕(4日間)が新型コロナの影響で見合せになり、仕方がないので、1日だけ皇居・赤坂御用地周辺を「勝手に」清掃する“気まま”奉仕を敢行した(I奉仕団長=女性)。
平成30年(S団長=男性)、令和元年(K団長=女性)と続けて来たご奉仕だが、来年はどうなるか。
11月3日には、明治神宮外苑にある聖徳記念絵画館の壁画について、(これも多人数集まるのを同館に断られた為)別の場所で映像を使って解説するという、新しい企てを行った。
スピンオフで、同種の解説を来年1月にも、塾の受講生以外のメンバーに行う予定。
スピンオフと言えば、『皇位継承 論点整理と提言』(女性議員飛躍の会)に収めた私の講義録を教材(当然、私が校正した2刷!を使用)にした小さな勉強会も、塾とは別に行っている。私自身は1回だけで終わるつもりだった。でも、2回やっても終わらない。もう1、2回は必要か。