旧宮家の復帰?
秋に設置が予定されている「安定的な皇位継承を確保するための」政府有識者会議。その「結論」は「政府として初めて旧宮家の復帰をオーソライズすること」(八木秀次氏)という。
但し対象となるのは、生まれ時から「国民」又はその子供以下の世代。だから「復帰」は正しくない。正確には、皇籍の新たな「取得」。前々からこの提案はあった。しかし、「国民の理解が進んでいない」(八木氏)。
だけでなく、様々な難題が控えている。だから私は、政府はその実現“可能性”を、早めに本格的に検討した方が良い、とこれまで訴えて来た。にも拘らず、徒(いたずら)に先延ばしされて来たのは遺憾。それがやっと検討の俎上に上るのなら歓迎だ。是非とも丁寧かつ慎重に検討して戴きたい。
但し、この方策自体は(可能と仮定しても)、残念ながら「安定的な皇位継承を確保する」結果に、そのまま繋がるものではない。側室不在、非嫡出による継承の否認という、動かし難い条件下では、宮家が一時的に多少増えても、その宮家の継承“自体”が不安定な状態に置かれる。なので、事態を根本的に解決することにはならない。
従って、「安定的な皇位継承」を“本気で”望むならば、自ずと別の方途を探る他ない。それを望まないなら、勿論、話は別だが。