10月22日の「即位礼正殿の儀」。
高御座(たかみくら)の天皇陛下の古風なご装束が印象に残ったのではあるまいか。
実は、あのご装束を即位礼でお召しになるようになったのは、明治天皇のご即位の時から。ご装束自体は平安時代に遡る。しかし即位礼では、シナ皇帝が着ていた絢爛豪華な「礼服(らいふく)」だった。
又、当日、高御座の横に置かれた御帳台(みちょうだい)も存在感があった。だが、即位礼にあの御帳台が置かれるようになったのは、大正天皇の時から。この時に、初めて皇后が御帳台にお昇りになる予定だった(当時は貞明皇后)。
だが、めでたくご懐妊中の為、お出ましはなかった。従って、皇后が初めて御帳台に昇られたのは、次の昭和天皇の時(当時は香淳皇后)。更に、東京・皇居で即位礼が行われたのは平成、つまり上皇陛下の時が最初。それまでは、明治天皇が東京にお移りになって以降も、京都御所で行われ続けていた。
加えて、「祝賀御列の儀」が行われたのも、平成が最初だった。
このように即位礼も「進化」している。どんどん、より「日本らしく」なっている、と言うべきか。