いよいよ11月14・15日は大嘗祭。同祭ではわざわざ大嘗宮を建てる。これは誰の為か。
誤解があってはならないのは、天皇ご自身の為ではないという事だ。同祭で祭られる皇祖(皇室の祖先神、天照大神)に対し、最も丁重におもてなしすべく、真新しい清浄な斎場を用意する為に他ならない。
つまり、皇祖の為の大嘗宮。それを止めて、ご一代に一度限りの大嘗祭まで常設の建物(神嘉殿)を使い回すのは、皇祖を甚だ粗略に扱う非礼を意味する。この度、宮内庁の不見識によって、(皮付きの丸太を使う黒木造りと共に)大嘗宮(悠紀・主基両殿)の清らかさの象徴だった伝統的な萱葺(かやぶき)屋根を、経費節約などを名目として、前代未聞の板葺(いたぶき)に変更したのは、それに少し近い。
皇室は取り分け皇祖への祭祀を大切にして来られた。その皇室本来の精神に照らして、まことに申し訳ない。