政府は、新型コロナウイルス感染症への対処として、東京、埼玉、千葉、神奈川の4都県を対象に、2度目の緊急事態宣言を発令した。では、新型コロナによってこれ迄に何人の死者が出ているのか? 正確な数はよく分からない。他の死因による事例(間接死とも言えないケース)も、新型コロナの死者にカウントされている可能性がある為だ。だから、多めの数字になっているはず。
それでも、改めて弁別するのは困難なので、公表された数字を元に、年齢別の死者数を見ると以下の通り(緊急事態宣言発令を決定する直前の1月6日時点、東洋経済オンライン「新型コロナウイルス 国内感染の状況」より)。
80代以上が2141人、70代が839人、60代が293人、50代が97人、40代が32人、30代が10人、20代が2人、10代が0人、10歳未満が0人、年齢不明が56人。合計3470人。
これが多いのか、少ないのか。平成30年のインフルエンザによる直接死が3325人(厚生労働省、人口動態統計)、間接死も含めると毎年約1万人程度とされる。恐らく比較すべきは間接死も含めた数字だろう。すると、通常のインフルエンザのおよそ3分の1。
年齢別の死者数では、80代以上が全体の6割以上を占めていることが分かる。70代も加えると、ほぼ86%。死者の殆(ほとん)どが70代以上ということになる。60代を足すと、実に95%近く。これに対し、40代以下を全て数えても44人だ(年齢不明者も、判明者の比率から類推して、その多くが高齢者と想像するのが普通の考え方だろう)。
重症化し死に至る場合は、基礎疾患が重要な要因になっているという。現に、80代以上でもPCR検査の陽性者1万7399人のうち、1万1729人は既に回復済み。20代の場合は、陽性者が5万8346人で、回復済み5万3295人、重症者0人、死者は前出の通り2人だ。
一先ずこの数字を元に計算すると、20代の致死率は0.0034%位。概数で陽性者約3万人に対して1人の死者数となる。新型コロナについては、こうした客観的なデータに基づいて正しく恐れる必要がある。