危機の原因は「男系男子」限定
意外と見落とされているようなので、念の為に言及しておく。
現在の皇室は幸い、お子様に恵まれている、という事実。天皇・皇后両陛下をはじめ、常陸宮家を除き、秋篠宮家は勿論(もちろん)、三笠宮(寛仁親王)家、高円宮家にも、それぞれ皆様お1方以上のお子様がいらっしゃる。
にも拘(かかわ)らず、皇位継承の将来が不安視され、皇族数の減少への対策が早急に求められている。これは何故か。
言うまでもなく、皇位を継承でき、宮家の当主になれるのが、「男系男子」に“限定”されている為に他ならない。元々、お子様に恵まれないのであればともかく、多くのお子様が現にいらっしゃりながら、皇室それ自体の存続が危ぶまれている。改めて考えてみると、何とも奇妙なことではないか。
その原因は、「男系男子」限定という、側室の存在と非嫡出の継承を前提としてこそ維持可能だった継承資格の“縛り”が、そのまま見直されずに、放置されていることだ。一夫多妻の国(サウジアラビア、ヨルダン)ならともかく、近代的な立憲君主国で「男系男子」の縛りを頑(かたく)なに維持して、そのせいで多くのお子様に恵まれながら、君主制そのものが消滅の危機に直面しているような国が、他にもあるのだろうか。