故・安倍晋三元首相は亡くなられてからも、「保守」系の人々から熱烈な支持を受けておられるように見える。そこで、安倍元首相の生前の発言から皇位の安定継承への道を探るとどうなるか。
〇「(被占領下に)皇籍を離れた(旧宮家の)方々はもう既に…70年以上前の出来事でございますから今は民間人としての生活を営んでおられる…それを私自身がまたGHQの決定を覆すということは全く考えていないわけでございます」(平成31年3月20日、参院財政金融委員会での首相としての答弁)
〇「(旧宮家プランの当事者の国民男性の中で皇籍を取得する意思がある人は)いないんです」(私が直接伺った、衆院議員の問いかけへの返答)これまで政府は、国会において「(旧宮家系国民男性の意向確認について)そうしたみなさんに確認したことはないし、していく考えもない。これは(今後も)変わらない」(令和3年3月26日、参院予算委員会での加藤勝信内閣官房長官の答弁)といった不自然な答弁を繰り返して来た。
だがこの安倍氏の発言によって、その“裏事情”が判明する。
そもそも、長期にわたった安倍内閣において「旧宮家プラン」が1ミリも前に進まなかった事実を、改めて思い起こす必要がある(この事実こそ、安倍氏からの“言葉によらない”最大のメッセージかも知れない)。
〇「憲法においては、憲法第2条に規定する世襲は、天皇の血統につながる者のみが皇位を継承するということと解され、男系、女系、両方がこの憲法においては含まれるわけであります」(平成18年1月27日、衆院予算委員会での内閣官房長官としての答弁)
これらの発言を繋げると、おのずと“1つの解答”に導かれることになる。