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執筆者の写真高森明勅

「皇統」は男系も女系も含む「双系」的な概念という事実


「皇統」は男系も女系も含む「双系」的な概念という事実

政府は一貫して、憲法第2条の「世襲」には男系・女系の双方を含むという立場を堅持している。

これは、憲法学界の通説でもある。


この場合の世襲とは「皇統」(皇室典範第1条)による継承に他ならない。だからそれは、皇統それ自体には女系も含まれることを前提とする。


それを、付属法である皇室典範が敢えて「皇統に属する“男系の男子”」に限定しているに過ぎない。だから、典範を改正すれば「皇統に属する男系の女子、女系の男子・女子」も継承可能になるというのが、当たり前の理解だ。


皇統とは“天皇のご血統”ゆえ、男性天皇の血筋だけでなく、女性天皇の血筋も含まれるのは、普通に考えたら至極当然。それは勿論、わが国本来の伝統である双系的血統観に合致する。


男系限定論者は、皇位継承の正統性の根拠である皇統はもっぱら男系だけに限られる(つまり皇統=男系)、と思い込んでいる。しかし、それはシナ的な“男尊女卑”の考え方に基づく、客観的な根拠の無い偏見に過ぎない。


皇統による皇位の継承が維持される限り、王朝交替が起こるはずはないし、いわゆる「万世一系」

(皇位が、過去・現在・未来を貫いて、皇統によって受け継がれること)にも変更は無い。むしろ本気で万世一系を願い、皇位の安定継承を目指すなら、頑なな“からごころ”(男尊女卑ー男系絶対主義、自覚なきシナ崇拝)を綺麗サッパリ洗い去り、わが国本来の伸びやかな双系的血統観(やまとごころ)に立ち戻るべきだろう。


追記

プレジデントオンラインの連載「高森明勅の皇室ウォッチ」は12月9日午前11時公開予定。先頃の秋篠宮殿下のお誕生日に際しての記者会見を取り上げた。

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