先頃、「“男系男子”二千年の伝統を守れ!」という言説に触れて、少しビックリ。
皇位の継承資格を「男系男子」に限定するルールは、明治の皇室典範以来のこと。
明治典範が制定されたのは、明治22年(1889年)。
だから、今から僅か百年余り前に過ぎない。一方、女性天皇は明治典範が制定される百年ほど前まで、普通に在位されていた(第117代・後桜町天皇、1762年~1770年)。
その女性天皇の最初は、周知の通り推古天皇(第33代・592年~628年)。だから歴史上、女性天皇が即位されてきた期間は飛鳥時代から江戸時代まで、優に千年を越える。
危機が迫る皇位継承問題については、歪みの無い歴史的パースペクティブの中で考えたら、誰でも容易に正解に辿り着けるはずだ。
追記
プレジデントオンライン「高森明勅の皇室ウォッチ」今月の記事が1月27日に公開された。
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鈴木邦男氏が亡くなられた。
生前のご厚意に感謝し、ご冥福を祈り上げる。