top of page
執筆者の写真高森明勅

皇位継承問題についてシンガポール人の娘婿から核心的な質問



既に記したように、シンガポールの青年と結婚した長女が1月1日にサプライズで帰国した。

お蔭で2日の新年一般参賀の記帳には、長男・次男や孫娘たちの他に長女も一緒だった。


ところがサプライズが更に重なる。旦那のシンガポール青年も少し遅れて、何の前触れもなく来日してくれた。コロナ禍以降、しばらく会えていなかったので、再会が嬉しい。


彼が滞在中のある日、娘夫婦と一緒に美味しい刺身や天麩羅などを食べ、ショッピングにも付き合った後、ゆったりしたカフェで懇談した。その懇談の終わり頃、わが妻が少し席を外すと、娘婿の彼は急に話題を変えた。


思いもよらず、それまでの四方山話とまるで関係のない、皇位継承問題について核心的な質問をぶつけてきた。


「日本には過去に女性天皇が何人もいたのに何故、現在は女性皇族が即位できなくなったのですか?」


「日本人の多くは天皇・皇室を敬愛し、長く存続して欲しいと願っているはずなのに、一夫一婦制のもとで長続きするはずがない、皇位の継承資格を“男子”に限るという無理なルールを、何故いつまでも変更しないのですか?」


問題の本質をきちんと理解している質問だ。私は外国人の彼にも納得できるように、なるべく分かりやすく説明した。すると、その話題の最後に私への願いを述べた。


「このテーマがお義父さんのライフワークだということは分かっています。でもお願いがあります。決して“命懸け”ではやらないで下さい。安倍元首相の事件もあったし、心配しています。

他の家族はこんなことを言わないかも知れないし、言ってもお義父さんは聴かないかも知れない。でも僕は言うし、僕の心からのお願いだから、是非とも受け入れて欲しい。日本に来たのでこのことを必ず伝えたかった」と。


全く予想外の言葉だったので、いささか驚いた。これ対して私がどう答えたか。その中身について、今は控えておこう。


1つだけはっきりしているのは、私は良い息子(=娘婿)を持っている、という事実だ。


bottom of page