皇位継承問題が政治の場で一応の決着を迎える可能性が見て来た。
それがどのように決着するか。
100点満点でなくても一先ず少しでも良い形で決着できれば、それは次の前進に必ず繋がる。
論理的に想定し得る選択肢は以下の通り。
①女性天皇·女系天皇が共に可能になる。
これが安定的な皇位継承に近付く唯一の正解だ。
②女系天皇は除外して女性天皇だけが可能になる。
内親王·女王が皇位継承資格を持たれるので、女性宮家も認められる。
③女性天皇は可能になるが、現在の皇位継承順序は維持される。
直系よりも男子優先というルール。
④女性天皇が除外され現在の皇位継承順序も維持されるが、
女性宮家は認められる。男性宮家と同じく、内親王·女王が婚姻後も宮家の当主として皇族の身分を保持され、その配偶者及びお子様も皇族とされる。但し女系継承が認められていないので、男性宮家と異なりお子様に皇位継承資格は無い。
⑤未婚の女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持されるが、その配偶者及びお子様は国民という位置付け。「皇族+国民」という世帯なので女性宮家とは呼べない。
これらのうち、①が最善で⑤が最悪であることは、改めて言う迄もない。
ところが、現在の政治状況での実現可能性を考えると、率直に言って①についてはほぼ絶望的である一方、⑤がそのまま制度化される公算はかなり大きい。
そこで、それをいかに④→③→②の選択肢へと押し上げるかが、国民的な努力目標になる。
②に到達できれば愛子皇太子→天皇への道が開ける。逆に言えば、③以下にとどまれば、その道は差し当たり閉ざされる結果に終わる。
ここで注意すべきは、この度の国会冒頭での代表質問で、立憲民主党が衆参両院共に皇位継承問題を取り上げ、同党がこの問題に対して真剣に取り組む姿勢を見せたこと。
及び、それへの岸田文雄首相の答弁で「女性天皇は除外する」旨の内容が含まれていなかった事実だ。勿論、楽観は許されないが、これからの努力次第では今の通常国会において②〜④いずれかの決着に持ち込める可能性も、展望できる。
いよいよ大切な局面に入りつつある。