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執筆者の写真高森明勅

皇位継承問題、民意と永田町の空気感の隔絶の背景とは何か?



敬宮殿下におかれては、この度、初めての単独のご公務として伊勢の神宮と神武天皇陵へのご参拝を行われた。お迎えした現地の人々の歓迎ぶりを見ると、あたかも「皇太子」をお迎えしたかのようだった。


人々にお応えになる殿下のご態度も、高貴かつ優美でいらっしゃりながら、親しみに溢れておられた。


しかし目を永田町に向けると、残念ながらそこには寒々しい光景しか見えて来ない。


皇位継承問題において、ひたすら女性天皇も女性宮家も排除して、「憲法第1章が優先的に適用される女性皇族+同第3章が全面的に適用される一般国民」という無理で無茶な世帯の創出に向け、事態は黙々と進んでいる。この暗澹たる落差、隔絶の背景は何か。


一見すると、国会議員がよほどの「大馬鹿者」の集まりか、そうでなければ確信犯的な「極左」とも受け取られるかも知れない。


又確かに、大馬鹿者も極左も一部には実在するだろう。しかし、永田町をごく僅かながら覗いた私の肌感覚で言えば、最大の理由は多くの議員らの無関心(!)ではないだろうか。全く無関心でない場合でも、関心が薄く、優先順位が極端に低い。なので、ほとんど狂気を疑うような決着でも、平気で受け入れてしまいかねない。それが最も怖ろしい。


しかし、まだ僅かでも時間は残っている。まだ諦めるのは早い。


一部には、皇位継承問題に理解と熱意を持ってくれている国会議員がおられることも、確かだ。

最低最悪の決着を免れる可能性は、まだ完全には失われていないはずだ。


先頃、皇室の「聖地」と言うべき伊勢と橿原の地で現れた一瞬の輝きを、未来の日本にまで届かせることは、今を生きる日本人の最大の責務だろう。

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