私には4歳の孫娘がいる。
それに結び付けるのは畏れ多いが、敬宮殿下の4歳の頃を振り返ってみたい。
平成18年の天皇陛下(当時は皇太子)のお誕生日に際しての記者会見から。
「愛子も4歳を迎え、今年の4月からは学習院幼稚園に通うことになりました。
…最近は、いろはガルタや神経衰弱などをよくやっており、正月には餅つきやカルタ、凧揚げ、コマ回しなど昨年に引き続き行いました。愛子にも日本の良き遊びを経験してもらうことができたと思います。
昨年は、菜園で野菜を育てることを通して、植物の成長を見守ることや収穫の喜びを体験できたように思います。ともかく毎日、水やりに菜園に行っていることに感心しました。
今はイチゴが採れるのを楽しみにしています。菜園で収穫したものは両陛下(上皇·上皇后両陛下)の所にお持ちしたり、あるいは友達にあげたりして、みんなと分けることも楽しんでいるようです」
「私たちや周囲への心遣いもかいま見ることがあります。雅子が昨年の12月の誕生日の夕方に風邪で寝込んだ時も、その前に自分が風邪をひいたときによくしてもらっていたので、という意味のことを言って雅子の寝室にバースデーケーキを持って見舞いに行ったり、『こどもの城』で、
年下のお子さんに『愛ちゃんができないときにだれだれがしてくれたから』と言いながら
手を貸したりすることがあるようです。
ちなみに、今年の元旦に御所に上がる折に、門の所で一般の方や記者の皆さんが立っているのを
見て『みんな寒い所に立っているからわんちゃんの手を振ってあげるの』と言っていたようです」
(当時は愛犬の「ピッピ」と「まり」を飼っておられた)
「大相撲にもとても興味を持っており、私たちや職員と相撲を取るときに相撲の技を
再現したりしています。
また、相撲の本の力士の四股名(しこな)に付けられた振り仮名の部分を読んで、力士の上の名前と下の名前をよく覚えています。例えば横綱朝青龍であれば朝青龍明徳というようにです。
それを平仮名で書いたりもしています。力士の名前については正直私もかなりません。
また、相撲をテレビ観戦しながら『だれだれに、星がついたよ、うれしいな』と七五調の文を作るなどしています。子供の好奇心や子供らしいユーモアを大切にしながら、意欲や自主性を大切に見守っていきたいと思っています」
「一方、4歳という時期は、自己主張も強くなる時期と聞いておりますが、社会のルールやマナーは大切ですので、徐々に教えて、身に付けていってもらうことが大切であるという考えています」
「外出なども外の世界を知る良い機会となっていると思います。
また、東宮御所へお客様が来られた時もご挨拶に出る機会も多くなりました。度々、御所へうかがうこともありますが、大変楽しみにしているようです。幼稚園入園まで間もないですが、それまでの時期を大切にし、なるべくいろいろな経験をさせてやりたいと思っています」
ちなみに皇后陛下(当時は皇太子妃)が「適用障害」と発表されたのは、この2年ほど前のことだった(平成16年7月)。この年の歌会始のお題は「笑み」で、次のような和歌を詠んでおられた。
天皇陛下
いとけなき
吾子(あこ)の笑まひに
いやされつ
子らの安けき
世をねがふなり
皇后陛下
輪の中の
ひとり笑へば
またひとり
幼なの笑ひ
ひろがりてゆく