敬宮殿下がご成年を迎えられた翌年の歌会始で寛仁親王妃信子殿下は次のようなお歌を詠まれた。この時のお題は「窓」。
成人を
姫宮むかへ
通学に
かよふ車窓の
姿まぶしむ
これに宮内庁は以下の解説を付けている。
「寛仁親王妃信子殿下には、愛子内親王殿下を、ご幼少時より深い敬意と愛情を持って見守ってこられました。昨年、愛子内親王殿下におかれましてはご成年を迎えられ、寛仁親王妃信子殿下のお喜びは誠に大きいものであります。
ご立派に成長された愛子内親王殿下には、これまでにも増して、より一層学問に邁進されておられます。
ご通学のため、お車にてお住まいの御所を颯爽と御発になる際の、お髪(ぐし)も綺麗に整われて
健やかな愛子内親王殿下のご様子を車窓越しにご覧になった寛仁親王妃信子殿下のご心境をお詠みになったお歌です」
丁寧な解説だ。
恐らく、妃殿下がお歌のご意図を充分に伝えられたのだろう。
この年の歌会始の和歌の解説では、天皇·皇后両陛下の御製·み歌への解説より長く、その長さでは敬宮殿下のお歌への解説とこの解説が、最も長くなっている。
結句の「姿まぶしむ(眩しむ)」に、妃殿下の敬宮殿下への「敬意と愛情」が奥床しく詠み込まれている。
追記
今月のプレジデントオンライン「高森明勅の皇室ウォッチ」は7月26日に公開予定。