れいわ新選組は皇位継承問題について、以下の見解示している(「れいわ新選組としての
『全体会議』への意見表明」5月17日)。
「天皇制のあり方や皇位継承の問題について国内で世論が二分されている中で、それに目を奪われて、本当に喫緊の課題である大多数の国民が望む経済政策への議論がおざなりになることを問題視します」
「(皇位継承問題について)今国会で、立法府が議論を進めるべき切迫性について、客観的な理由があるのか。わが会派としては、このテーマを他の議論よりも優先して今国会で議論するべき理由が見出されません」
本来ならば、ずっと以前に解決されているべき問題に対して、驚くべき現状認識と言う他ない。
現状認識にとどまらず国家観、歴史観そのものの歪みを感じさせる。
何よりも、当事者であられる皇室の方々のお辛さを思いやる想像力の欠如が酷い。
いずれ制度改正が不可避であるにも拘らず、それがいたずらに先延ばしされ続け、ご自身たちの未来が不確定な状態のまま長年にわたって放置されている残酷さに対して、唯一、皇室典範改正の権限を持つ立法府の構成メンバーとして、その責任放棄を申し訳なく、恥ずかしく思わない感覚が、既に普通ではない。
今上陛下の御代の元号「令和」に由来する会派名を名乗っていながら!
しかも、山本太郎代表は以前、園遊会に招かれた際、「皇室の政治利用」などの批判を浴びた非礼な直訴事件を起こしていながら!
しかし振り返ってみると、このような残酷さは何もれいわ新選組だけのことではない。
皇室典範改正を担うべき国会の他の党派も、この問題に前向きに取り組んで来た立憲民主党などを除き、概ね同罪だろう。
勿論、典範改正を先導すべき歴代内閣の責任は、取り分け重大だ。
その中でも、野田佳彦内閣で当時の政治状況の制約もあり、随分と後退した地点からではあったが、それでもせめて女性宮家の創設を目指そうとする動きがあったのを、政権交代直後の第2次安倍晋三内閣において即座に「白紙」に戻し、そのまま長期政権を築き、“安倍一強”とまで言われる時期が暫く続いたにも拘らず、この問題を1ミリも動かさなかった事実は、見逃せない。
皇位継承問題について、過去の安倍政権の罪の重さは突出していると言わざるを得ない。
追記
プレジデントオンライン「高森明勅の皇室ウォッチ」が7月26日に公開。
編集部が付けたタイトルは以下の通り。
「皇室研究家が断言…『皇位継承の安定化を本気で願うなら道は「愛子天皇」しかない』シンプルな理由」Yahoo!でも配信される。