①10月30日、赤坂御用地内の赤坂御苑で天皇、皇后両陛下が主催された秋の園遊会が開かれた。幸い天候にも恵まれ、両陛下をはじめ皇室の方々におかれては、招かれた各界の人々とにこやかに懇談のひと時を過ごされた。
パリオリンピックのスケードボード競技で金メダルを獲得した吉沢恋選手、堀米雄斗選手らとの
話の中では、皇后陛下ご自身もスケードボードを経験されていた、という意外な話題も出ていた。敬宮殿下が初めて和装でご公務に臨まれたことも注目を集めた。
②園遊会前日の10月29日、国連の女性差別撤廃委員会が、日本の皇室典範が皇位継承資格を「男系男子」に限定していることは女性差別撤廃条約の理念と「相容れない」として、典範の改正を勧告した。
これについて、左翼リベラルはそれを水戸黄門の印籠のように振りかざす一方、男系保守派は不当な外圧としていたずらに反発するだろう。私は委員会でこのテーマが取り上げられた時点で、
『女性自身』からコメントを求められていた。それが10月29日発売号に掲載されている。
「皇位継承は天皇の地位、つまり日本国憲法第1条に関わる問題であり、『主権の存する日本国民の総意に基づく』ものです。そのため、今回のように国際機関が立ち入ってくることは主権侵害にあたります。
その一方で、女性天皇や女系天皇が認められていない現状が、国際社会において女性差別と受け止められている事実は残念ながら否定できません。
安定的な皇位継承の問題に、当事者として向き合う責任が日本国民にはあるのです」
今やヨーロッパの君主国では、継承順序は性別に関わりなく「長子優先」がごく当たり前のルールになっている。スペインは女性にも継承資格を認めているが、例外的に男子“優先”なので「女性差別」と非難されている。
まして一夫一婦制なのに男系男子限定というのは、今や国際的に極めて特殊だ(日本以外では、
人口4万人弱で国土面積がほぼ小豆島ぐらいの超ミニ国家·リヒテンシュタインだけ)。深刻な女性差別と見られるのは避けがたい。
しかも、実はわが国の歴史においても、明治以降の例外的なルールに過ぎない。
一夫一婦制下での男系男子限定に至っては、まさに前代未聞(!)だ。
そもそも東アジアで最初に即位した女性君主は、わが国の推古天皇だった。
その後の歴史においても、シナ·朝鮮と比べて最も多くの女性君主が登場してきた事実がある。明確な法制上の地位も認められていた。
それこそが真の伝統であり、「日本らしさ」だ。
恥ずべき女性差別を皇室の伝統と錯覚してはならない。
皇位継承の安定化と皇室の弥栄を願うならば、外部から非難される前に、わが国本来の伝統に則って是正するのが当然だ。
③来年の3月上旬に3日ないし4日間、皇居で清掃奉仕ができることになった。
奉仕団の団長から連絡を貰った。
毎月、宮内庁に申請を出し続けて、既に1年近くになるのではないだろうか。
予めメンバーの名簿を提出する必要があるので(申請は1団体が15人以上40人まで)、抽選に外れる度に改めてスケジュール調整をして参加者を募る必要がある。参加希望者は皆、20代·30代の社会人なので、それぞれ実施時期によって仕事の為に都合がつかなくなるのは、やむを得ない。
団長に名乗りを上げてくれた、高森稽古照今塾の塾生H君のこれまでの苦労は、並大抵ではなかったはずだ。その苦労がやっと実った。私はこれまで昭和時代に4回、平成時代に1回、令和になって1回のご奉仕が叶っている(その後、コロナ禍で一時期、受け付けが暫く見送られた)。
だから次で7回目になる。
今から体調管理など、ご奉仕に向けて心身を万全の状態にするよう、努めたい。
【高森明勅公式サイト】