昨年の新年一般参賀は能登半島地震を受けて中止となり、天皇誕生日の一般参賀は雨の中の参賀となった。 天皇誕生日の時の出来事は、プレゼントオンライン「高森明勅の皇室ウォッチ」(令和6年2月28日公開、2024編集部セレクション)でも取り上げたし、拙著『愛子さま 女性天皇への道』第5章でも触れている。
令和7年の新年一般参賀は快晴のもとで行われた。 参賀者の総数は6万690人という。
私は、シンガポールの青年と結婚した長女が日本に滞在中なので、娘と2人で出かけた。
その際、婿どのから去年プレゼントされたネクタイを締める。
長男と次男も以前は一緒に参賀に行っていた。
今は2人共独立し、それぞれ家族とのスケジュールを優先するのは当然だ。
その子供達が幼い頃から暫く、参賀の人達に日の丸の小旗を配るボランティアにも、
家族みんなで参加していた。だから、沿道で配られる小旗を受け取る時は、懐かしい気持ちになる。
今回、私共が参賀に加わったのは、午後の4回目の出ましの時だった。
宮殿東庭は参賀に訪れた人達でびっしりと埋まっていた。
天皇、皇后両陛下、敬宮殿下をはじめ皇族方のお出ましと共に、日の丸の小旗が一斉に振られる。おことばの間は旗を下げて謹聴。
陛下のお声が温かく厳かに、その場に広がって行く。 おことばが終わると、あちこちから「天皇陛下万歳」の声が挙がる。日の丸の小旗もより力強く振られる。手を伸ばしてスマートフォンを掲げる姿も散見される。
天皇陛下が参賀の人々に向かって一礼をされた後、奥にお入りになる。
私は昭和·平成·令和と長年、一般参賀に加わって来たが、お出ましの時とお帰りの時にそれぞれ一礼されるお姿を、直に拝見したのは初めてのような気がする。畏れ多い。
帰り道、娘がこんなことを言った。「参賀の時に、周りの人達の旗などに視界を遮られずに、
お出ましの最初から最後まで、皇室の方々のお姿をずっと拝見できたのは、初めてかも知れない。こんな時にスマホで皇室の方々を撮すのは勿論、不敬なんだけど、撮す人達の気持ちもムッチャ分かるなー」と。
皇居の乾門から出て北の丸公園を抜け、そのまま靖国神社に向かった。いつものコースだ。
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【人々は雨の中、誰に言われるでもなく静かに傘を閉じた…皇室研究家が目撃した「天皇誕生日の一般参賀の風景」【2024編集部セレクション】】