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秋篠宮家叩きの代表例に小林よしのり氏の名前を挙げる政治家

  • 執筆者の写真: 高森明勅
    高森明勅
  • 12 分前
  • 読了時間: 3分

秋篠宮家叩きの代表例に小林よしのり氏の名前を挙げる政治家


日本協議会と日本青年協議会の機関誌『祖国と青年』4月号に自民党の参院議員·和田政宗氏の講演録が掲載されている。その中に秋篠宮家へのバッシングを巡り次のような発言がある。


「なぜバッシングされるような状況になっているのかといえば、私は真正の保守ではない、いわゆるビジネス保守といった人たちがSNSに事実でない情報を流し、けしかけているところに大きな問題があると思っています。


例えば、小林よしのり氏が『愛子天皇論』というマンガを描いて、それが売れたら、今度は『愛子天皇論2』を出しています。愛子内親王殿下が天皇陛下になるとは、どういうことか。


今、皇位継承順は悠仁親王殿下まで定まっているわけですが、それを変えるということでしょうか。そうではなく、悠仁親王殿下の後に愛子内親王殿下が即位されるというのであれば、これは悠仁親王殿下に男子が生まれていないという状況を意味します。どちらにしても、皇統の破壊を声高に叫んでいるわけです。


宮内庁とともに、何が事実なのかをしっかりとSNSで発信しながら、秋篠宮家に対するバッシングを解消していきたいと思っています」


「秋篠宮家に対するバッシングを解消していきたい」という気持ちは、私も全く同感だ。

しかし、ここで述べられている内容のデタラメぶりに、啞然としてしまう。


先ず、小林よしのり氏がいつ、どこで秋篠宮家へのバッシングを行ったというのか。

同氏はむしろ、これまで一貫して理不尽な秋篠宮家へのバッシングに対して、真正面から戦ってこられた1人ではないのか。批判の方向が正反対だ。


『愛子天皇論』にも言及しながら、「今…」以下の発言を見ると、中身を全く読んでいないことが明らかだ。勿論、考え方が違えば遠慮なく批判すればよい。しかし、読みもしないで批判するとは何事か。


その上、小林氏があたかも「いわゆるビジネス保守といった人たち」の1人であるかのような物言いは、非礼にもほどがあるのではないか。表現者に対して、「それが売れたら、今度は…」

という言い方も、無礼すぎる。


事実は、精力的に書き継いでこられた連載を単行本として刊行されているのであって、“売れたから”という話ではない。


そもそも、同氏が「SNSに事実でない情報を流し、けしかけている」という事実が一体、どこにあるのか。


「何が事実なのかしっかりと…」と言いながら、事実を捻じ曲げているのは和田氏本人ではないか。全体として、秋篠宮家バッシングの元凶が「愛子天皇」待望論であるかのごとき誤ったイメージを、ひたすら撒き散らそうとしているようにしか見えない。


皇室典範の改正に直接の責任を負う国会を構成する一員でありながら、事実と懸け離れた悪意ある印象操作、レッテル貼りと言うしかない。


彼は7月の参院選で改選を迎えるようだが、このような政治家に皇室典範にタッチする資格があるのか、疑問だ。


【高森明勅公式サイト】

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