女性皇族の配偶者が皇族になる場合だけハードルが高くなる?
- 高森明勅
- 4 日前
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政府·自民党は、内親王·女王の配偶者とお子さまは国民という、近代以降前代未聞で、
憲法が全く予想していない家庭を、未婚の女性皇族方に押し付けようとしている。
それを正当化できない為に、配偶者が結婚後に皇族になる制度では結婚自体のハードルが高くなる、などと言い出す始末だ(例えば4月7日の保守系団体の会合での麻生太郎·自民党最高顧問の挨拶など)。
しかし、これまで男性皇族の配偶者は当たり前のように皇籍を取得して来られているし、今後もそのルールを変更するつもりは無さそうだ。
男性皇族では自明視されるにも拘らず、女性皇族の場合だけ致命的な問題であるかのように扱われるのは、議論として平衡を欠くのではあるまいか。
ことさらハードル云々を持ち出して、皇族になることすら同意できない人物、言い換えると憲法が保障する「国民としての権利と自由」を引き続きそのまま行使したいという意思を明確に持つ人物まで、皇籍にとどまられる皇族の配偶者として進んで迎え入れようとする浅はかな考え方は、皇室の「聖域」性と尊厳をないがしろにするものだ。
更に言えば、一般に強い心情的な結合を前提とする結婚でさえ、皇籍取得のハードルが高いと
見積もるのであれば、その点の結合がより弱いと考えられる養子縁組の場合、なおさらハードルが高いという結論になる。