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  • 執筆者の写真高森明勅

2→4→5→3

皇位継承のこれまでと今後。

最もシンプルにまとめると、2→4→5→3となる。

これは皇位継承資格を縛る要件の数。


今が5。

(1)皇統に属する。 (2)男系。 (3)嫡出(嫡系)。 (4)男子。 (5)皇族。

歴史上、最も窮屈な縛りだ。 以前は側室の存在が前提。 だから、庶出(庶系)にも継承資格を認めていた。 つまり(3)の縛りは無かった。 また前近代では10代の女性天皇がおられた。 つまり(4)の縛りも無かった。 更に、大宝・養老令には「女帝の子」を 父親の皇族の血筋(男系)ではなく、 母親の天皇の血筋(女系)で位置付け、 かつ皇位継承資格を認めていた。 しかも養老令は形式上、 前近代の国家体制を規定する法典であり続けていた。

つまり(2)の縛りも無かった。

前近代の縛りは(1)と(5)のみ。 よって、これまでの継承資格の要件の数は、 2→4→5と変遷して来たことになる。 だが明治の皇室典範で(2)と(4)を追加した時に、 不可欠の前提とされていたのが、 (側室から生まれた)庶出(庶系)による継承だった。

(3)は、明らかにそれと齟齬する。

要件の(2)(4)と(3)は両立不可能。 だから問題はこうだ。

要件の(2)(4)を維持するなら、 (3)を解除しなければならない。

(3)が解除出来ないなら、(2)(4)を 解除しなければならない。 そのどちらを選ぶか。

しかし、側室の復活があり得ない以上、 (3)を解除出来ないのは自明だろう。

よって、もし皇室の存続を望むなら (2)(4)の解除は避けられない。 つまり今後、皇室典範の改正によって 改めて設定されるべきは、(1)(3)(5)の3要件となる。

5要件のまま、いかに小手先だけの対応をしても、 何ら本質的な危機の打開には繋がらない。

要件数の5→3の削減が絶対必要だ。

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